北海道でオール電化をやめたい場合のチェック|年間費用試算と補助金で本当に得か分かる

北海道庁旧本庁舎と春の庭園
暮らし

北海道の長い冬、光熱費の増加や停電リスクに不安を抱え、オール電化住宅の見直しを考えていませんか。

ただ、電気料金の内訳や暖房・給湯の性能、導入や撤去の費用、契約種別や管理規約の制約など確認すべき点が多く、何から手を付ければいいか迷うのは当然です。

この記事では電気明細の読み方から暖房方式や給湯設備のチェック、年間コスト試算、切替手順、国や自治体の補助活用まで具体的に解説します。

費用比較とチェックリスト、具体的な金額例を用いて現状把握から最終判断まで使える情報に絞って整理しました。

まずは電気料金明細の見方から順に確認していきましょう。

北海道オール電化やめたい場合の具体チェック

JR函館駅とモダンな駅前の外観

北海道の厳しい冬を前に、オール電化からの切り替えを検討する際は、まず現状を正確に把握することが重要です。

この章では、確認すべきポイントを項目ごとに具体的に解説します。

電気料金明細

まずは過去1年分の電気料金明細を用意してください。

季節ごとの使用量、時間帯別の内訳、基本料金や割引の有無を確認します。

深夜電力プランや時間帯別料金に加入している場合は、給湯や暖房がどの時間帯に偏っているかを見て、切り替え後のコスト変動を予測します。

特に冬期の使用量の増減は重要ですので、12月から3月までの履歴を重点的に確認してください。

暖房方式確認

現在の暖房方式を把握することは、切り替えの可否と費用を見積もるうえで不可欠です。

主な暖房方式としてはエアコン暖房や蓄熱式床暖房、電気温水式の温水暖房などがあります。

同じ「電気」でも、蓄熱式からガスや灯油への変更は配管や床下の改修が必要になる場合がありますので、設置場所と配管経路をチェックしてください。

暖房の熱源が分散している戸建てと、集合住宅で共用設備がある場合では対応が異なりますので注意が必要です。

給湯設備確認

給湯機の種類と設置状況を確認します。

エコキュートなどのヒートポンプ式貯湯器か、電気瞬間湯沸かし器かを特定してください。

タンクの容量や本体の設置スペース、給排気や追焚配管の有無も重要な確認項目です。

ガスや灯油に切り替える場合は新しい給湯器の設置場所と給排気の確保が必要になりますので、現地の写真を撮っておくと見積りがスムーズになります。

停電履歴確認

過去の停電履歴を確認しておくことで、停電時のリスクを評価できます。

停電が頻発する地域であれば、電気供給に依存する暖房や給湯からの撤退は慎重に検討する必要があります。

停電で暖房が止まった際の代替手段や、ガスや灯油にした際の停電影響も含めて比較してください。

停電時の実体験や近隣の状況を管理組合や近所の方に聞いておくと、想定外の問題を避けられます。

住宅断熱性能

断熱性能は暖房負荷と光熱費に直結しますので、切り替え判断で最も重要な要素の一つです。

窓の種類や窓サッシ、壁や屋根の断熱材の有無を確認してください。

断熱が不十分だと、新しい暖房設備を導入してもコスト削減効果が限定的になる可能性があります。

特に北海道では窓の性能向上で暖房費が大きく改善する場合が多いので、併せて断熱改修を検討するのが賢明です。

契約種別確認

電力契約の種別やアンペア数は、切り替え時の工事内容や費用に影響します。

また、契約によっては解約手数料や設備撤去費用の負担が発生する場合がありますので、契約書をよく確認してください。

契約項目 確認ポイント
従量電灯 基本料金と単価
時間帯別料金 深夜料金の有無
需要料金 契約電力と上限設定
アンペア数 分岐回路の確認

賃貸・管理規約確認

賃貸住宅やマンションにお住まいの場合は、変更前に規約の確認が必要です。

  • 大家の許可
  • 管理組合の承認
  • 共用設備の取り扱い
  • 給排気設備の制限
  • 工事時間の制約

工事を伴う切り替えは管理組合への申請や近隣説明が求められることが多く、了承が取れないと進められません。

契約書や管理規約に基づいて、早めに相談窓口に問い合わせることをおすすめします。

費用比較と年間コスト試算

札幌時計台と周囲のビルの夕景

オール電化を維持する場合と他燃料に切り替える場合の費用を、初期費用と年間のランニングコストに分けて比較します。

北海道の寒冷地という条件を踏まえ、暖房負荷と給湯負荷が年間コストに大きく影響する点を重視します。

電気継続コスト

まず現状の電気料金明細から年間使用量を把握します、冬場の暖房分が多く含まれている点に注意してください。

ヒートポンプ暖房やヒートポンプ給湯を継続利用する場合は、COPなど効率指標で実効的な電力量を見積もると良いです。

夜間割引や時間帯別料金が適用されているなら、夜間給湯利用や蓄熱運用でコストを下げられる可能性があります。

都市ガス導入コスト

都市ガス導入は配管引込やガスメーター設置などの初期工事費が発生します、接続距離や道路掘削の要否で費用が変わります。

給湯器や暖房機器をガス用に交換する必要があり、これらの本体費用と設置費を見積もってください。

都市ガスは単位エネルギー当たりの料金が比較的安定しており、断熱が十分なら年間コストは電気継続より下回ることが期待できます。

LPガス導入コスト

LPガスはボンベや貯槽設置が必要で、設置費用と既存配管との整合を確認する必要があります。

燃料単価は都市ガスより高めのことが多く、使用量次第では年間コストがかなり上昇する可能性があります。

供給方式や契約条件により基本料金が発生しますので、長期的な価格動向も考慮して判断してください。

灯油ボイラー導入コスト

灯油ボイラーは本体とタンクの設置費用が必要で、設置場所や給油ルートで費用が変動します。

灯油は価格変動が大きく、冬季の需要増でコストが跳ね上がることがある点に注意してください。

暖房能力は高く、寒冷地では実用的な選択肢になる反面、燃料保管や給油の手間が増えます。

設備撤去費用

既存のエコキュートや電気床暖房などを撤去する場合、撤去費用と廃棄処理費が発生します。

配管や配線のやり直しが必要なら、内装補修やクロス張替えの費用も見込むべきです。

  • エコキュート本体撤去
  • 電気床暖房配線撤去
  • 既存配管撤去
  • 廃棄処分費
  • 内装補修費

ランニングコスト差分

燃料種別 年間費用目安 備考
電気継続 30万から60万 ヒートポンプ利用時
都市ガス導入後 20万から45万 接続条件で変動
LPガス導入後 35万から70万 燃料単価高め
灯油ボイラー導入後 25万から55万 灯油価格変動影響大

表はあくまで概算の目安で、住宅の断熱性能や家族の使用習慣で上下します。

実際の切替判断では初期費用の回収年数も計算し、数年先の燃料価格予測を織り込むことをお勧めします。

切り替えの手順とスケジュール

北海道庁旧本庁舎と春の庭園

オール電化から他燃料への切り替えは、見積りから引き渡しまで段取りを明確にすることが成功の鍵です。

ここでは実務的な流れと現実的なスケジュール感を示しますので、工事期間中の生活調整にお役立てください。

見積り取得

まずは複数の事業者から見積りを取ることをおすすめします。

建物の図面や、現在の電気料金明細、給湯や暖房の使用状況を用意しておくと精度の高い見積りが出やすくなります。

見積りには機器本体費用、工事費、撤去処分費、諸手続き費用が含まれているかどうかを必ず確認してください。

業者選定

信頼できる業者は価格だけでなく、施工実績や保証内容で選ぶことが重要です。

  • 施工実績数
  • 保証期間の長さ
  • 対応エリアとアフターサービス
  • 見積りの内訳の明瞭さ

複数社の比較表を作り、工事日程や追加費用の可能性をチェックしてください。

工事契約

見積り内容で納得できたら、書面で契約を交わします。

契約書には工事範囲、着工日、完了日、支払条件、保証内容、キャンセル条件を明記してもらいましょう。

特に冬期に入る場合は、工事開始の最終確定や代替暖房の手配について合意しておくと安心です。

配管配線工事

配管や配線の工事は、既存設備の撤去と新規設備の経路確保が中心になります。

作業項目 目安日数
既存機器撤去 半日から1日
配管敷設 1日から2日
電気配線変更 半日から1日
外部配管保温施工 半日

真冬の工事は凍結防止や作業効率に影響しますので、日程は余裕を持って組んでください。

マンションや近隣への配慮として、作業時間や養生方法を事前に確認するとトラブルを避けられます。

給湯器設置

給湯器本体の据え付けは据付場所の強度や排気対策を確認した上で行います。

屋外設置の場合は保温と凍結対策が重要で、配管断熱や保温ヒーターの有無を決めます。

試運転で給湯や暖房の作動確認を行い、温度や水漏れの最終チェックを実施します。

検査引き渡し

完了後は施工業者と一緒に最終点検を行い、仕様通りに稼働しているかを確認します。

ガスや電気の切替手続き、メーターの切替え、施工報告書と保証書の受け取りを忘れないでください。

引き渡し後のトラブルに備え、初期不具合期間と連絡先を明確にしておくと安心です。

補助金と支援の活用方法

大通公園と札幌市街地の俯瞰パノラマ

北海道でオール電化からの切り替えを検討する際、補助金や支援制度を上手に活用すると初期費用を大きく抑えられます。

国と自治体、それに燃料業者の支援は組み合わせが可能な場合が多く、手続きの順序を間違えると損をすることがあるため注意が必要です。

国の補助制度

国は省エネや災害対策、燃料多様化を目的とした補助金を用意していることが多いです。

たとえばエネルギー使用合理化や住宅の断熱改修に対する補助は、オール電化からの切り替えと併せて申請できる場合があります。

補助の対象や申請期限は年度ごとに変わりますので、最新情報の確認が欠かせません。

  • 住宅の断熱改修補助
  • 省エネ設備導入補助
  • 災害対策設備補助
  • 燃料切替促進補助

北海道の自治体助成

北海道内の市町村は、それぞれ特色ある助成を行っていることが多いです。

自治体の助成は対象地域や所得制限が設定されている場合があるため、自治体窓口での事前相談をおすすめします。

自治体 主な助成内容
札幌市 暖房機器切替補助
断熱改修補助
旭川市 灯油給湯器設置補助
高効率暖房導入補助
函館市 老朽住宅改修支援
耐震断熱改修補助

燃料切替補助

ガスや灯油、LPガスへの切替えに対して、燃料供給会社や地域の支援が受けられることがあります。

業者独自のキャッシュバックや工事割引も合わせると、総費用がかなり下がる場合があります。

ただし、業者支援は契約条件に縛りがあることがあるため、期間や縛り内容を事前に確認してください。

断熱改修との併用補助

暖房方式を変えるタイミングで断熱改修を同時に行うと、補助金が増えるケースが多いです。

断熱性能が上がれば灯油やガスの使用量が減り、ランニングコストの低減効果も期待できます。

補助申請の際は、工事計画書や性能試験の結果が必要になることがあるため、設計者や施工業者と早めに打ち合わせをしてください。

申請手続き

補助金申請は、事前申請が必要なものと、事後申請が認められるものに分かれます。

事前申請が必要な場合は、見積書や施工計画、申請書類の準備を工事着手前に完了させる必要があります。

書類不備で交付決定が遅れることがあるため、自治体の相談窓口でチェックを受けると安心です。

交付決定後に工事を行い、完了報告書や領収書を提出して給付を受ける流れが一般的です。

申請期限や必要書類は制度によって異なりますので、申請前に必ず最新の要綱を確認してください。

居住性と安全性の確認項目

札幌駅とJRタワーの駅前広場

オール電化から他燃料へ切り替える前に、居住性と安全性の観点をしっかり確認することが重要です。

北海道の厳しい冬を想定して、暖房性能や停電対応、燃料保管などを総合的に検討してください。

暖房能力比較

まず現状の暖房方式が持つ実力を把握してください。

暖房の種類ごとに暖房能力や立ち上がり、均一性を比較すると判断が楽になります。

暖房方式 長所 短所
蓄熱式電気ヒーター 深夜電力を活用できる
室内がゆっくり暖まる
応答性が遅い
大寒波で能力不足の恐れ
エアコン暖房 立ち上がりが速い
省エネ性が高い場合あり
外気温が低いと効率低下
暖まりムラが出ることがある
温水ヒートポンプ床暖房 足元からの快適さ
静音で安定した暖房
設置が大規模になる場合あり
高負荷時は能力限界がある
ボイラー式温水暖房(ガス/灯油) 高出力で安定した暖房
寒冷地での実績が豊富
燃料供給の手配が必要
定期的なメンテナンスが必要

給湯回復性能

給湯の回復時間は生活の快適さに直結します。

家族構成や入浴習慣を踏まえて、必要な回復能力を数値で確認してください。

例えば瞬間式給湯器は連続使用で性能低下することがあるため、複数回の同時使用を想定して性能を見極めましょう。

停電時代替手段

停電が発生した際の温熱環境を事前に計画しておくと安心です。

電気を主要燃料としていた場合、代替手段を用意する必要があります。

  • 非常用発電機
  • 家庭用蓄電池
  • ガス式給湯器の自立運転機能
  • 灯油ストーブや暖房器具

それぞれの導入費用と運転可能時間を比較して、実際の生活に合うものを選んでください。

燃料保管と防火対策

燃料を切り替える場合、保管方法と防火対策が重要な検討項目です。

灯油やLPガスを使用する場合は、法令や自治体ルールに従った保管場所を確保してください。

また、燃料の取り扱いに関する家族への周知と、火災時の避難動線の確認を忘れないでください。

メンテナンス頻度

各種設備の維持管理頻度を把握すると、長期的な費用試算が正確になります。

ボイラーや給湯器は燃焼系の点検が定期的に必要で、点検費用や交換サイクルを確認してください。

電気系のヒートポンプや蓄電池は専門業者による点検が重要で、保証やサポート体制も評価基準に入れてください。

決断前の最終チェックリスト

札幌駅とJRタワーの駅前広場

最後の決断をする前に、ここで紹介するチェック項目を一つずつ確実に確認してください。

電気料金の実績や暖房・給湯設備の状態、停電履歴と断熱性能など、生活に直結するポイントを漏れなく点検します。

費用の見積りと補助金の適用可否は必須で、導入後の年間コストを具体的な数値で比較してください。

家族の使い方や停電時の対応、賃貸や管理規約の制約も忘れずに確認し、最終判断に備えましょう。

  • 電気料金明細 過去12か月分
  • 暖房の稼働実態と費用負担
  • 給湯設備の種類と寿命予測
  • 停電履歴と復旧までの時間
  • 住宅の断熱性能と窓まわりの状況
  • 現在の契約種別と解約や切替の条件
  • 賃貸や管理規約による制約
  • ガスや灯油導入の見積り比較
  • 補助金や自治体助成の適用可否
  • 工事スケジュールと引き渡し時期
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